演技には2種類ある。どちらの演技もとても面白い。
こんにちは、劇団東京以外です。
▲過去公演の稽古風景
本日金曜日は劇団東京以外制作担当による演劇アレコレの日です。今回は演技について考えてみようと思います。
演技すると聞いて
演技すると聞くと、どのような演技が頭に浮かびますか?この間、演劇アレコレの回で演劇嫌いな人に聞いた演劇の嫌な部分を書いてみたのですが、わざとらしい演技が浮かぶ人もいるかもしれませんね。
▼過去記事
でも泣き叫んだり、過剰なまでに笑ったりするような演技ばかりかと思えば、現実世界を切り取ったかのようなリアルなものまで、色んな演技があるんですよ。
演技には二種類ある
演技と聞くと浮かびやすいであろう、「感情をつくる」「表情をつくる」「きっとこの台詞を言えば、このような動きをするであろう」といった動き方は『説明型演技』と言われています。
台本に描かれている役柄の心理状態や人間関係を演技を通して観客に説明する、といったイメージです。説明型演技の場合に大事にされるのは形。形を表現する演技だからこそ、わざとらしく見えるという難点もありつつ、なんといっても
わかりやすい。
確かに形ばかりだと「中身がない」と揶揄される対象にはなりますが、老若男女問わず世界観が分かりやすいのは事実です。
もう一つある演技が『体験型演技』。これは体現する役者さんの苦労ははかりしれませんが、役を表現するのではなく、実際に役になる演技になります。自分が役そのものになるので、感情表現のリアルさは格段に違います。
ただ、役者の技量が大変。
本当に面白い舞台は感情を揺さぶられる
どちらの演技手法が良い、というわけではありません。
どちらも利点があって、人の心を捉えるには大切な演技手法です。どちらも本当に演技力のある役者さんが演じた瞬間に感情が揺さぶられ、舞台が終わっても席をたてない状態になることがあります。
嗜好性もありますから、どちらかの演技が苦手、という方がいても当たり前。でも、それでも一度はどんな舞台も選り好みせず挑戦してほしいな、とも思います。
席から立ちあがれなくなる感覚を味わってほしいなあ。
劇団東京以外はどちらかと言えば
作品コンセプトが日常生活を切り取ったような会話劇ですから、どちらかと言えば『体験型演技』を最終目的にはしています。
でもまずは観やすさから入っているので
『説明型』と『体験型』のちょうど中間にいます。
例えば劇団東京以外主宰である夏目優が好きな作家さんである平田オリザさんの舞台ともなると、『体験型演技』というか、あまりにも自然体な役者の姿が魅力なんですが、相槌の自然さは本当に半端ではありません笑。
ぜひ自分の好みの演技をする役者さんや演出を探して、演劇の入り口を広げてみてください。
制作:青梅